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テニス
 
テニス > 連載NO.47
 
〜技術上達コラム こうすればテニスはもっと上達できる〜
 
[連載NO.47 これがダブルス上達のテクニック(パート10)]

ダブルスにおいて、技術的に互角のチームが対戦したとき、勝利を収めるのはコンビネーションのよいチームの方である。

基本的には、コンビネーションとは、例えば「チームがポイントを失っても、お互いが励まし合って次のポイントに集中する」ようなメンタル面の意思疎通のことを指す。ただし、実際のゲームにおいては、ダブルスでは当たり前になっている「ハイタッチ」だけでは解決できない戦略面のコンビネーションが不可欠になってくる。

どんな状況においても、コンビネーションを高めて自分たちが持っている最高の力を発揮するためには、メンタル面のコンビネーションだけでなく、ゲームの質を高める戦略面のコンビネーションにも意を注がなくてはならない。

ポイントやゲームの合間での言葉のコミュニュケーションだけではなく、サインによる無言のコミュニケーションこそ、ダブルスのゲームにおける戦略面で不可欠な要素である。これが接戦のゲームを制してチームを勝利に導く大きな武器となる。

すでに多くのダブルスチームがサインを出してゲームを有利に進めている。サインの決め方にルールはなく、ふたりで相談して決めればよい。ただし、お互いの頭の中でいくら高度なサインを考えついても、練習によって体に染み込ませない限り、それはゲームでは使えない。

もちろんサービスサイドだけではなく、リターンサイドでもサインを使えなくはないが、まったくのゼロの状態からスタートできるサービスサイドに比較して、サービスのスピードやコースによってリターンの種類やポーチの出方が制約されるリターンサイドはサインが出しにくいことは事実である。

それではサインの出し方に関するいくつかの具体例を簡単に紹介してみよう。サインはサービスサイドのネットプレーヤーによってサーバーに示される。その目的は主にふたつ。まず最初の目的は、「サービスコースの指定」である。ネットプレーヤーがポーチを成功させる確率を上げるためにサーバーにサービスのコースを指定するわけである。

例えば、イラストAのように(右利きの場合)左手の親指を右側に突き出せば、相手コートのサービスボックスの右側狙いを示す。同様に、2本の指を下に突き出すイラストBは相手プレーヤーのボディ狙い、そして小指を突き出すイラストCはサービスボックスの左側狙いである。

サインのふたつ目の目的は、ネットプレーヤーがポーチに出るか、出ないかの意思をサーバーに伝達すること。例えば、イラスト1はポーチに出る、イラスト2はポーチに出ないという意思表示である。このサインを出すことにより、サーバーは自分のパートナーであるネットプレーヤーがポーチに出るか、出ないかが理解できるなく、陣形の変更を事前に察知してチームとしてのコンビネーションを高める効果がある。

以上述べた2種類のサインを組み合わせれば、ふたりのプレーヤーの高度で言葉を必要としない意思疎通が可能になる。つまり、ネットプレーヤーは、イラストA〜Cと、イラスト1と2を組み合わせて、6種類のサインをサーバーに伝えることができる。

例えば、イラストのようにサーバーがアドコートからサービスをするとき、ネットプレーヤーは相手チームのレシーバー(右利き)の弱点であるバックハンドのリターンをポーチに出たかったら、Aのサインを出したあと、背中に置いた手のひらを開けばよい。つまりA→1という2段階のサインにより、ふたりのプレーヤーの意思疎通によって鮮やかなポーチでポイントを締めくくるできるのだ。これは、あくまでも一例だが、サインを駆使することによりサービスサイドは有利にゲームを進めることができる。

なおサインとダブルスのフォーメーションに関して興味のある方は、小著『わかりやすいテニス超上達講座』(小社刊)の中でわかりやすく解説しているので、ぜひ一読していただきたい。

ダブルスに関するシリーズは今回が最終回。来月からは新たなテーマで皆さんといっしょにかんがえていきたいと思う。

 
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