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テニス
 
テニス > 連載NO.40
 
〜技術上達コラム こうすればテニスはもっと上達できる〜
 
[連載NO.40 これがダブルス上達のテクニック(パート4)]
今回は、ダブルスにおけるレシーバーの役割に焦点を当てて考えてみよう。

私が残念に思うのは、多くのプレーヤーがサービスサイドには関心を持つが、リターンサイドには案外無頓着なことである。

テニスがサービスゲームとリターンゲームがほぼ同じ数だけ存在するゲームである以上、サービス練習と同じだけリターンの練習にも時間を割かなければならない。

テニスの歴史に刻まれているダブルスのチャンピオンゲームの共通点は、サービスエースを取れる能力ではない。リターンサイドですばらしいプレーをしてサービスブレークをどのチームよりも積み上げたことである。たとえあなたのサービスに威力がなくても、リターンサイドで洗練されたプレーをすれば、ライバルを打ち負かすことができる。つまり、ダブルスにおけるレシーバーの役割はあなたが考えている以上に重要なのである。

ここで、レシーバーが持つべき心構えを確認しておこう。

多くのレシーバーがサーバーと互角に張り合おうとして、強引なリターンをして自滅してしまっている。これは分析データで判明していることなのだが、「サービスとリターンが対抗したら、必ずサービスが優位に立つ」のである。この事実をレシーバーはしっかり認識してゲームに臨まなければならない。

リターンは典型的なカウンターショットである。カウンターショットとは、相手のショットのパワーをうまく活用して、それに合わせるショットのことをいう。レシーバーがリターンするときには、「サービスに対して互角に張り合う」という強引な考えではなく、「サービスに合わせて、そのパワーを活用する」という感覚を持ってリターンすべきである。そうすれば、確率の低いリターンエースを狙うこともなく、リラックスして着実に相手コートに効果的なリターンを打つことができる。これが私が強調したいレシーバーに必要な心構えである。

私が分析したデータでも、「リターンがサービスチームの側に入った時点で、サービスサイドの有利性は消滅する」ことが判明している。そのためにも、とにかくリターンミスを極力減らすことがレシーバーに課せられた責務である。もちろんレシーバーには、リターンを確実に打つだけではなく、サービスサイドのネットプレーヤーのポーチをいかにして封じるかが求められる。

優秀なネットプレーヤーほど、レシーバーのスイングからリターンのコースを予測している。ビデオによるプロプレーヤーのゲーム分析でも、偉大なダブルスチームのサービスサイドのネットプレーヤーは、明らかにレシーバーがリターンを打つ前にポーチの動きを開始している。

フォワードスイングを開始した時点で、レシーバーはリターンのコースを変更できないことを知っているからこそできる芸当である。おそらく彼らは、バックスイングの段階ですでにクロスにリターンを打つレシーバーの仕草の特徴を把握しているはずだ。

言い換えれば、レシーバーはスイングによってクロスに打つか、ストレートに打つかを相手チームのネットプレーヤーにわからせてはならない。日頃からまったく同じスイングでストレートとクロスに打ち分けるテクニックを磨いておこう。

同時に、ポーチを封じるために、レシーバーはストレートに効果的なリターンを打つことが要求される。雁行陣を採用するチームにおいては、レシーバーがリターンをクロスに打つ頻度が多過ぎるために、サービスサイドのすぐれたネットプレーヤーのポーチの餌食になっている。

雁行陣に限らず、平行陣においてもサービスサイドを揺さぶるためには、もっとストレートにリターンを打てばよい。例えば、ストレートにロブを上げることにより、相手の陣形を簡単に崩すことができる。あるいは、相手の弱々しい短いセカンドサービスをアタックしてストレートに打てば、相手がポーチに出る確率を減らせるだけでなく、案外簡単にエースを取ることができる。

以上、述べたレシーバーとしての心構えと戦略を駆使すれば、意外と簡単にあなたのチームはサービスブレークして、ゲームを勝利に導くことができる。

 
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