児玉光雄webではテニス、ゴルフ、スポーツ心理学、右脳活性などの情報をお届けします。

 
 

 ・プロフィール
 ・講演
 ・テレビ番組出演
 ・雑誌連載
 ・メンタル
  カウンセリング

 ・新刊案内
 ・著書一覧
 ・右脳ドリル
 ・ゲーム
 
テニス
 
テニス > 連載NO.39
 
〜技術上達コラム こうすればテニスはもっと上達できる〜
 
[連載NO.39 これがダブルス上達のテクニック(パート3)]
今回もダブルス上達に貢献するテクニックを皆さんといっしょに考えてみよう。

同じ実力のペア同士が対戦したら、勝利をつかむのは戦略面ですぐれたペアの方である。中でも、ダブルスの勝敗に大きく影響を与えるのが、リターンとポーチの攻防だろう。今回はリターンのポーチにテーマを絞り込んで、賢明な戦略を皆さんに伝授しよう。

リターンとポーチを比較したとき、優位に立つのは明らかにポーチの方である。サービスサイドの優位性を生かすためには、最高のタイミングで、果敢にリターンのポーチにチャレンジすべきである。

これに関して、ぜひ記憶しておいてほしいのだが、雁行陣の攻防では、リターンに対してサービスサイドのネットプレーがポーチに出なかった場合、リターンがサービスサイドに返球された時点で、サービスサイドの優位性は消滅してしまう。これは草トーナメントのデータによってすでに証明済の事実である。つまり、レベルの高いプレーヤーほど、この事実を認識しているから、リターンに対して積極的にポーチに出ようとする。

もう、7、8年も前の話になるが、50試合以上の草トーナメントのデータを収集して、ポーチに関する分析をしたことがある。サービスサイドのチームがリターンに対するポーチを試みる頻度を5%刻みに分類して、サービスキープ率と比較したのである。

その結果、サービスサイドのネットプレーヤーがポーチに出る確率が30〜35%のときに、もっともサービスキープ率が高いという事実が判明した。つまり、3ポイントに1回の割合でポーチに出たときに、サービスキープする確率が最大になったわけである。

もちろんサービスキープ率が高かった理由はポーチ以外の要因も無視できないから、このデータをそのまま鵜呑みにするわけにはいかない。それはともかく、3ポイントに1回の割合でポーチに出たゲームのサービスキープ率が最大になるという事実は頭の中に入れておいた方がいいだろう。

だだし、どんなリターンでもポーチに出ればいいかというと、実はそうではない。やみくもにポーチに出過ぎると、レシーバーにストレートのパスやロブを打たれて、逆にブレークされてしまう。しっかりとした戦略を立てて、なんらかの手掛かりをヒントにポーチに出るべきである。

これに関して、私のポーチに対する考え方を簡単に述べよう。プロレベルのダブルスを分析してわかったのだが、優秀なプレーヤーは2種類のポーチをうまくゲームの中で使い分けている。この2種類のポーチを私は「自発的ポーチ」、「反応ポーチ」と呼んでいる。

「自発的ポーチ」というのは、レシーバーがリターンを打つ前に、すでに実行を決断したポーチである。「自発的ポーチ」を決断させるのは、自分のパートナーであるサーバーが打ったサービスである。サーバーがすばらしいファーストサービスを相手コートのサービスボックスのコーナーに入れた段階で、即座に「ポーチに出よう」と決断すべきである。

この場合、ポーチに出る最高のタイミングはレシーバーのラケットがフォワードスイングを開始した直後であり、インパクトまで待つ必要はない。すばらしいサービスと「自発的ポーチ」のコンビネーションがサービスキープにとって大きな武器となる。

それでは、もうひとつの「反応ポーチ」について説明しよう。「反応ポーチ」は、サービスにそれほど威力がなかったリ、コースが甘かった場合のリターンに対して仕掛けるポーチである。つまりいったん「自発的ポーチ」を放棄した場合でも、まだポーチのチャンスは残っている。それは単純にレシーバーがまずいリターンを打った場合である。

レシーバーがまずいリターンを打ったら、素早く反応して果敢にポーチに出よう。相手のリターンに反応してポーチに出るから「反応ポーチ」と私は名付けている。

以上述べた2種類のポーチを巧みに織り交ぜて、3ポイントに1回は果敢にリターンのポーチに出よう。そうすれば、あなたのチームは案外簡単にサービスキープできることに気づくだろう。   
 
テニス > 連載NO.39
 
HOME | インフォメーション | 児玉光雄のfacebook | お問い合わせ | リンク