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連載NO.38
〜技術上達コラム こうすればテニスはもっと上達できる〜
[連載NO.38 これがダブルス上達のテクニック(パート2)]
今回もダブルス上達のテクニックについて、皆さんといっしょに考えていこう。
ダブルスのレベルアップを実現させるためには、個々のショットをレベルアップさせることを忘れてはならない。しかし、長年テニスに慣れ親しんできたプレーヤーにとって、技術を劇的に変化させるのは至難の業だ。
しかし、ダブルスの陣形を変化させれば、案外簡単にダブルス上達の突破口を見出すことができる。多くのプレーヤーが雁行陣のパターンでダブルスをプレーすることを好む。もう数年前のことになるが、ある草トーナメントでアンケート調査を行ったことがある。その中の「どうしてあなたは雁行陣に固執するのですか?」という質問に対してもっとも多かったのが、「ネットプレーが苦手だから」という回答だった。
ネットプレーに自信がないから、「平行陣はもう少しネットプレーがうまくなってからでも遅くない」と自分に言い聞かせて雁行陣に固執しているプレーヤーが驚くほど多いことが、このアンケートで判明したのである。
しかし、そのような考えにしがみついている限り、いつまでたっても平行陣でプレーすることはできない。そうではなく、発想を転換させて、「雁行陣だけでプレーしている限り、ネットプレーはうまくならない」と考えてみたらどうだろう。
私は常々、雁行陣というのは「依存によって成立する陣形」であると考えている。雁行陣でネットについているプレーヤーは、「お願い」というひと言でほとんどプレーをしなくてすむ。目の前をパスが通過しても、あるいは頭の上にロブが上がっても、「お願い」とひと言パートナーに声を掛けるだけで、ベースラインでプレーしているあなたのパートナーは必死でボールを処理してくれるからだ。
もっと極端に言えば、ネットプレーヤーがボレーやスマッシュでミスをすると、途端に「無理しなくてもいいよ。僕がカバーするから・・・」というパートナーの声がベースラインから聞こえてくる。これが繰り返されることにより、無意識にネットプレーヤーはボレーやスマッシュすることに躊躇して、ベースラインのパートナーにボールの処理を任せるようになる。結局ネットプレーに頼らなくてもゲームが成立する雁行陣という陣形がネットプレーの上達を阻んでいる。
それならいっそのこと負けを覚悟でふたりともネットに出て平行陣でプレーすればよい。平行陣では、雁行陣のように相手に依存する事はできない。自分のサイドに飛んできたボールは100%自分の責任で処理しなければならない。
自分の目の前に飛んできたパスには積極的に飛びついてボレーしなければならないし、頭上に上がったロブに対しては果敢にスマッシュで攻撃しなければならない。もしも頭の上をロブで抜かれたら、猛烈なスピードでベースラインまで後退して、何とかしてそのロブを処理しなければならない。
もしもテニスコートにビデオカメラを持ち込む機会があったら、友達にあなたがネットについたときのフットワークを撮影してもらおう。特に雁行陣と平行陣におけるネットプレーのフットワークを重点的に撮影してもらい、それを家に帰ってじっくりチェックしてみよう。フットワークがまるで違うことがよくわかるはずだ。
たとえネットワークプレーが苦手でも、思いきって平行陣でプレーする機会を増やしてみよう。最初しばらくは、今まで勝っていたライバルペアに負けることもあるだろう。しかし、敗北と引き換えに、あなたのペアは「ネットプレーのレベルアップ」という貴重なプレゼントを手に入れることができる。
もちろん、最初からサービスダッシュをしてネットにつくのは無謀である。雁行陣でラリーが続いたとき、短いショットを相手が打ったなら、迷わずネットについて平行陣をとってみよう。そしてネットプレーを思う存分楽しもう。そうすれば、まったく勝てなかったチームに善戦したり、ときには打ち負かすことができるようになる。
平行陣こそ、相手にプレッシャーを与えるだけでなく、あなたのネットプレーを洗練させてくれるダブルス上達に不可欠な陣形である。
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