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テニス
 
テニス > 連載NO.37
 
〜技術上達コラム こうすればテニスはもっと上達できる〜
 
[連載NO.37 これがダブルス上達のテクニック(パート1)]
これから数回にわたり、ダブルス上達のテクニックについて皆さんといっしょに考えていこう。特にこのコラムを愛読してくれる皆さんのために、ライバルを打ち負かす速効性のダブルス上達のヒントをこっそりお教えしよう。

まず今回は、雁行陣のフォーメーションにおけるダブルス必勝法について解説してみよう。

週末のテニスクラブに行くと、多くのテニス愛好家がダブルスを楽しんでいる。そして、もっともポピュラーなフォーメーションが雁行陣である。

最初に私が強調したいのは、雁行陣というフォーメーションは、「相手も雁行陣でプレーしてくれなければ成立しない」ということである。なぜなら相手チームが平行陣を採用してふたりともネットについたとき、あなたのチームのネットについているプレーヤーは相手チームのボレーやスマッシュの集中砲火を浴びて、雁行陣はもろくも崩れ去る運命にあるからだ。つまり、雁行陣とは両方のチームがこのフォーメーションをとってはじめて成立するのである。

雁行陣のダブルスゲームでは、ベースラインプレーヤー同士のクロス打ちが延々と続くため、ふたりのネットプレーヤーはただ指をくわえてボールの行方を追うだけである。ここであなたに再認識してほしいのは、「雁行陣でもプレーをコントロールするのは、ネットプレーヤーである」ということである。だから、雁行陣で主導権を取るためには、なんとしてもネットについているプレーヤーが積極的に動いてポーチを仕掛けなければならない。特にグラウンドストロークの応酬で劣勢のチームは、ここに活路を見出すしかない。

そこでは雁行陣でネットについたとき、あなたはどこに構えればよいのだろう?この答えはそれほど簡単ではない。その位置は、あなたの技術レベル、打たれたボールのコース、あるいは、サービスサイドか、リターンサイドか、といった多くの要因によって変化する。

ところが残念なことに、多くのネットプレーヤーが判で押したようにシングルスのサイドラインの1m内側に構えている。もちろん、彼らは相手チームのダウン・ザ・ラインのショットをガードしているつもりなのだろうが、これでは本来のネットプレーヤーの役割は果たせない。

基本的には、ネットプレーヤーは「相手チームのベースラインプレーヤーがクロスに打とうか、ダウン・ザ・ラインに打とうかを迷う位置」に構えればよい。そのためには、思いきってコート全体をカバーしようという考えを捨ててしまおう。事実プロレベルのダブルスチームは最初からダブルスのサイドラインの内側50cmの領域をカバーすることを捨てている。だから、相手チームがその領域にナイスショットを打ってエースを奪ったなら、素直に賞賛の拍手を送っている。

そうすれば、その分コートのセンターに近づいて、積極的にポーチを仕掛けることができる。ネットについたあなたの構える位置がセンターベルトに近づけば近づくほど、相手チームのベースラインプレーヤーにプレッシャーがかかる。むしろ、相手チームにダウン・ザ・ラインのショットをもっと打たせるくらい大胆にセンターに寄って構えてみよう。

テニスコートは実験場である。雁行陣のダブルスでは、ネットプレーヤーの立つ位置を積極的にセンターベルト寄りに移動して、相手チームがどう変化するかをじっくり観察してみよう。センターベルト寄りに構えることにより、ポーチによってポイントに結びつける確率が高まるだけではなく、ダウン・ザ・ラインのショットにも果敢に飛びつくフットワークが身につく。しかも、クロスに打つか、ダウン・ザ・ラインに打つかを相手チームのベースラインプレーヤーに迷わせることによってミスを誘い出す事ができる。

もう一度繰り返すが、雁行陣でダブルスのプレーをするとき、主導権を握るのはベースラインプレーヤーではなく、ネットプレーヤーである。あなたがネットについたら、限界までセンターベルト寄りに構えてみよう。そうすれば、相手チームに多大なプレッシャーを与えて、ミスを誘い出すことができ、あなたのチームは意外と簡単にライバルチームを打ち破ることができる。
 
テニス > 連載NO.38
 
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